先日完成した、Emma Reeza FRATzitz クローン自作のノイズ対策をまとめたいのですがその前に。CMOSの4069のそれぞれのIN/OUTをつなぐ5つの47pFのコンデンサがあります。発振防止用としての位相補償コンデンサと言われるもの。ここのパーツ選定で音が変わるのか実験しました。
COMSはピーピーと発振しやすいようで、特に肝心だということですが、ここのパーツ選定は一般的に3つからチョイスされるでしょう。
・セラミックコンデンサ
・積層セラミックコンデンサ
・シルバーマイカコンデンサ
この部位の必要性やパーツそれぞれの特徴はググってください。
実験の動機
完成当初 > 5箇所とも全てセラコン(セラミックコンデンサ)
完成後に > 全てシルバーマイカにここで音ががらりと変わった気がしたので実験してみたくなりました。といっても大切に使っていきたいものなので、あんまり無茶はしませんでした。

これと、5箇所全てシルバーマイカの”B”とを録音して比較しました。
比較対象
音源 A (2セラコン+3マイカ)
音源 B (5マイカ)
音源

自分で弾いたフレーズをZOOM G3のルーパーに録音し再生した。これで、全く同じフレーズ、同じサウンドメイクになる。
レコーダー
PositiveGrid JamUp Pro iPad版のJC-120シミュレーターを経由して、MTR機能で録音。
波形編集
JamUp Proから書き出された.ma4データをWavelab 7で切り出し。Wav 16bit/44.1kHzで書き出し、SoundCloudへアップロードした。
ここから先はネタバレです。ご自身なりに答えが見つかるまでは下は読まないでね。
はい、これどちらかがAで、どちらかがBです。どっちでしょうか。その前に、音の違いって感じます?
元音源だと、ピックブラシのノイズやアルペジオの高域弦で、音抜けや暴れ方、まとまり方が違うのですが、SoundCloudにアップロードした途端に聴き分けが困難になってしまいました。 周波数帯域もダイナミックレンジも狭くなっちゃうんですね。
まあ答えは、
“Captest 1″が全部マイカの”B”。
“Captest 2″がセラコン入りの”A”
です。
個人の感想としては、全マイカBは音高域の暴れや固さが無くなって相対的に太く甘いミドルが特徴。大人しく暖かくなる傾向です。
セラコン入りの方がジャギジャギ感が強くなります。暴れる音、固い音です。
今回の実験ではちょうど良い加減を狙って2個だけの違いなので、些細な差しか感じられませんでした。
全部セラコンの頃はもっとこの傾向が顕著だったんですがねー。期待させてすみませんでした。
Soul Power Instrumentsの自作エフェクター本の中で著者の齋藤さんは、セラコンと比較しながらマイカのことを「聴感上ほぼ差がありません」「高価なのでエフェクターで使用するメリットはほとんどありません」と書かれていますが、私個人の感想は、全体のトーンにまろみを与えるためには効果的だと思いました。
もちろん、長年プロとして理論の裏づけある製作をしている齋藤さんを批判しているわけではありません。あくまで私感を述べています。(SoundCloudでもうちょっとこの差が聴き分けられたらなあ…)
結局なにが言いたいのか
位相補償コンデンサに使うコンデンサーのチョイスについて、
・音を丸く太くしたいなら>シルバーマイカ
・ジャギンとキレ良く暴れさせるなら>セラコン
世間の評判どおりね。ってことは積層セラミックもジャキジャキ傾向になりそうだ。