買った!Antelope Audio Zen Go Synergy Core レビュー


Antelope Audio Zen Go Synagy Core


オーディオIFを急遽買い替え!予算の範囲でいろいろ考え、Antelope Audio Zen Go Synergy Coreを購入しました。とても良い製品なので早速レビューを。

以後、Zen Go Synergy Core=Zen Goと呼びます。





レビューが長くなるのでまとめから。

ストレスが減る

解像度が高く音がよく見えるのでミックスが手早くなりました。小さい音で作業できるので自宅で使う際に気遣いが減りました。

音の良さでワークフローが変わる

最近のオーディオIFの流行りは「シンプルで音が良い。そしてメーカーごとのキラリと光る特徴が1つある」っていうものですが、Zen Goもそれです。あまり器用さはありませんが、とにかく音が良いという一点集中です。Synergy Coreなど超便利な機能もありますがそれはあくまでおまけ。音の良さでワークフローが変わるというシンプルかつ最強のメリットがある製品だと感じました。

奇跡

デジタル・オーディオを20年やってきましたが6万円でこの音が買えることは奇跡です。買ってよかった。





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購入理由



故障したMOTU Ultralite MK3 Hybridからの買い替えです。本文中で比較しているものはすべてこれです。

発売当初の価格でいえばMOTUとZen Goはほぼ同じ。でもMOTUは10in 14outで目指すところが違う製品なので偏った比較になります。



条件



自宅スタジオにて作曲からミックスまで。

スピーカーはIK Multimedia iLoud MTM。Mac mini 2019 Big Sur、Cubase 10。

リファレンス曲はJon Hopkins”EVERYTHING CONNECTED”とJames Blake” I Never Learnt To Share”。



ハードウェアの質感





高級感があります。ヒヤリとした金属ボディ。ノブ1つを見てもきれい。パワーオンしたときに内部のリレースイッチがカチンと鳴るのもワクワクします。とても良いです。



再生音



音の解像度の高さに舌を巻きました。これまで音を潰しているのだと勘違いしていたテクノの細かいパーカッションの粒がはっきりと聞こえます。ボーカルマイクの特性や歌っている部屋の響きまで聞こえるものなんですね。驚きました。

トランジェントがあらわになることでボーカルの歯擦音やハットにかかった薄いリバーブやモジュレーションもよく見えます。けっして高域が強いといった話ではなくトランジェントと余韻の話。

とはいえ高域は固く感じます。「音、カッチカチやなあ」が最初の印象。

Zen Goは、以前プロスタジオで聴いた音に近いです。精密な仕事の音とでもいいましょうか。Antelope Audioのウリの一つである64bit AFCのおかげだと思いますがクロッキングの精度の高いAD/DAならではの真ん中にビシーっとフォーカスが合っている間隔です。プロスタジオの音という「越えられない壁」をたった6万円ちょいで超えようとしているZen Goはヤバい。



深夜に強い



Zen Goを使ってよかったと思えることの一つが、スピーカーの音量を下げてミックスができるようになったこと。

交互に比較して改めて思いましたが、Zen Goで聞こえる音の粒(楽曲を構成しているそれぞれのトランジェント)をMOTUで認識しようとすると音量をZen Goより上げないといけませんでした。そうなると部屋も揺れ始め大音量の心的マスキングがかかり、仕上がりの音のバランスも変わってしまいます。

これまでより小さい音量でこれまでより音が認識しやすくなったため、深夜作業で近隣に配慮するストレスも少し和らぎました。自宅ミュージシャンにとってこれは大きなメリットでしょう。

クリス・ロード・アルジさんやニラジ・カジャンチさんをはじめ多くのエンジニアが「ミックスは蚊が鳴くような小さな音ですること」とおっしゃっています。Zen Goならそれができます。





難ありなの?ヘッドホン



購入時にRock oNスタッフさんに念を押されたのが、Zen Goのヘッドホンアンプの出力が小さいということ。バスパワーが関係しているとか。Youtubeでもそこが話題になっています。実際にShure SRH840で鳴らしましたが、たしかにMOTUより小さい。でもあくまで比較した結果で、実際は自分には十分すぎる音量です。気持ち良いところまでトラックの音量を上げて「わー!」と叫んでもトラックは聞こえます。ボーカル録音には問題ありません。

ドラムの録音とかライブの録音でヘッドホンの音量が求められるんでしたっけ。Zen Goはそういうシチュエーションで使わないでしょう。そもそも自分は耳を傷めるような音量はいらないです。

肝心の音も前のやつより良くなりました。解像度高い!スピーカーアウトと同じで、解像度が高いので音量を従来より下げて作業ができます。耳に優しい。

そして、2つあるヘッドホン出力それぞれのボリュームがノブでパッと調整できるのがいいですね。自分はレンタルバンドスタジオや自宅など、1部屋でボーカルさんと一緒にRECを行うことが主なので、ヘッドホン2つはマジで心強い。



サポートについて



一部のDTM系Youtuberさんも指摘していましたが、Antelope Audio公式noteに「(Antelope Audio製品は)初心者用におすすめできません」「高等学校レベルの英語力が必要(マニュアルやサポートなどで)」「ドライバーには安定性などという概念は基本的にありません。」と初心者が不安になることがたくさん書かれています。

これは最初ビビリましたが、実際に買ってみたら怖さは吹き飛びました。

初心者におすすめできないとはいえ、公式には「一部のミッドレンジ価格デバイスは音を入出力するだけであれば、深く理解する必要はありません。」「製品の設計がアナログ構造とデジタル構造を理解している人向けになっている」とあるので、オーディオIF 2台目以降の買い替えなら問題ないでしょう。同社の他製品は知りませんが、少なくともZen Goは大丈夫。

英語力はたしかに必要です。このレビューを書いている現在、日本語マニュアルがありません。しかし日本語でスタートアップを教えてくれる動画があるので、それを観ると音を出すところまで設定できます。その動画はZen Goに同梱されているカードのQRコードを読むことで観れます。





ドライバーの安定性についてはいまのところトラブルレス。最初はトラブルもあったようですが、Rock oNさんによると頻繁にドライバーが更新されているようなので安心してます。

欧州のメーカーってこういう発想らしいですね。更新できるものはあとで直すからいいジャン的な。日本は始めから完璧なものを作ろうとしますね。サポート体制や考え方がまるで違います。ちなみにMOTUはアメリカのメーカーですが日本の代理店がサポートををしてくれます。日本的対応。Antelope Audioは代理店は無く、Antelope Audioの日本支社がサポートするので、欧州的な考えです。

Antelope Audioはビジネスの仕方がいかにも欧州的なので、慣れるまでは戸惑ったり不安に思う人もいるかもしれませんが、Google翻訳しながら英語のブログで情報を集めたり、海外から直接プラグインを購入したりできる人ならAntelope Audioは怖くないと思います。上位機種がプロのスタジオに入って仕事になっているで、ちゃんとしたメーカーだと思います。あとRock oNさんで買っておけば多少のことは教えてもらえるのでいろいろ安心です。Antelope AudioはRock oNさんで買ってください。





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コントーラーソフト



Zen Go Control Panel


見た目が好きではありません。黒いメタリックな質感、もうちょっとなんとかならんのかい。「使い方にクセがある」との前評判でしたが、店頭のスタッフさんに口頭で教えてもらったおかげで、マニュアルを読まなくても音を再生して録音するまでのことができました。そもそも2in 2outなので全く難しくないです。上位機種の入出力が多すぎるから設定が難しいとか言われるんじゃないかと。「Antelope Audioはクセがある」という事象はすべて「Zen Goはシンプルだから気にならない」と言えます。全体的に簡単です。



シナジーコアのプラグイン



プラグイン


広告がほんとに紛らわしいので最初に書きます。FPGAベースのプラグイン「Synergy Core」はDAWの中では使えません。Zen Goの場合、あくまで録音時にかけ録りできるだけです。

しかしニアゼロレイテンシーのFPGAプラグインはかけ録りにこそ効果を発揮するのではないでしょうか。

↓FPGAについてかなり分かる動画





ギタープラグイン


ギターアンプはあのOverloud社が作ってるって話です。そりゃ品質は文句なしです。特にギターアンプは良いですね。ま、このへんは好みもあるでしょう。ただ追加で買い足すかといわれると…。

ま、それよりZen Goの基本性能がすばらしいのでプラグインが無くても買ってました。

このほか、購入前に気をつけないといけないことがあるのでZen Goの公式ページの一番下のFAQを読んでおきましょう。

https://jp.antelopeaudio.com/products/zen-go-synergy-core/



後日談

広告では37FXが付属!って書いてるんですが、そのほとんどはギターアンプとキャビネット。あとはEQ3つ、コンプ3つ、マイクプリ2つ、くらい。これは悔しいです。

プラグインは本当に高性能なのですが、Zen Goだとかけ録り用なので、1つ2000円くらいで売ってほしい。



合わせ買いしろ!Oyaide d+





Zen Goはバスパワー駆動です。USBケーブルで音が化けるのでは?とOyaide d+USB class B のUSB C to Cを買いました。付属ケーブルと比較しましたが、言えることは「Oyaideも絶対に買え!」です。音のフォーカスがさらに合います。付属品としてグレーと赤のAntelopeカラーのケーブルが付いているんですけどね。

絶対に一緒にOyaideケーブルも買ってください





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レビューは以上です。Antelope Audio製品は価格を崩すことができないということ。どこで買っても価格は同じなので、ポイントとかおまけの多いRock oN Companyさんで買うのがお得ですよ。